WiMAX2+について

WiMAXとは

WiMAX(ワイマックス/Worldwide Interoperability for Microwave Access)とは通信規格の一種です。サービスを開始した頃は第3世代通信システムと第4世代通信システムの中間に位置する規格だったことで3.9世代と呼ばれました。

WiMAX2+とは

2009年にサービスを開始したWiMAXの通信速度を高速化した新しい通信サービスがWiMAX2+(ワイマックスツー/WirelessMAN-Advanced)です。2013年にサービスを開始して、WiMAXでは下り最大40Mbpsだった通信速度が下り最大110Mbps(※現在は220Mbps以上)まで高速化されています。

WiMAX2+のメリット

通信速度が速い

WiMAX2+の特徴が高速通信です。サービス開始当初には下り最大110Mbps程度だった通信速度が、2015年にはキャリアアグリゲーションによって220Mbpsまで向上しました。

そして、2016年6月にはWiMAX2+の電波にau 4G LTEの電波を合わせた3波キャリアアグリゲーションによって下り最大370Mbpsのデータ通信が可能になり、さらに2016年12月からキャリアアグリゲーションと4×4 MIMOによって、下り最大440Mbpsまで高速化されました。

そして当初は440Mbpsでのデータ通信は東名阪近辺などに限定されていましたが、2017年2月からは対応エリアを順次全国に拡大していくことが発表されています。

利用料金が安い

大手キャリアを利用する場合、契約する料金プランやオプションにもよりますが通常は6000〜8000円程度の月額料金がかかります。しかし、WiMAX2+の場合は月間で利用可能なデータ容量が7GBの通常プランが月額3600円程度、月間で利用可能なデータ容量が無制限のプランでも月額4300円程度と、大手キャリアと比較してお得な料金で利用できます。

通信速度制限が緩い

モバイル端末を利用したデータ通信には通信回線の混雑を防ぐ目的で設けられた通信速度制限が存在しており、直近の3日間で使用したデータ容量が設定された上限を超えた場合に通信速度が大幅に制限されます。

以前のWiMAX2+は他の通信サービスと同様に直近3日間に使用したデータ容量が3GBを超えた場合に通信速度が制限されましたが、2017年から通信速度制限が緩和されて、3日で10GBまで使用可能になりました。

また、設定されたデータ容量の上限を超えた場合、他の通信サービスでは下り最大128kbps程度まで低下するため通常のネット利用も困難ですが、WiMAX2+の場合は通信速度制限が適用されても下り最大1Mbps程度という、通常のネット利用に支障のない通信速度で利用できます。

プロバイダが多い

WiMAX2+の回線はUQコミュニケーションズという会社が管理していますが、UQコミュニケーションズはWiMAX2+の回線を各プロバイダに解放しています。そのため、月額費用やキャッシュバックなどの特典が異なる複数のプロバイダの中から気に入った会社を選んで契約できます。

au 4G LTEを使用できる

WiMAX2+はハイスピードプラスエリアモード(※1000円程度の別途料金が発生)を選択することでau 4G LTEによるデータ通信を利用できます。大手キャリアであるauの通信エリアを利用できるため、WiMAX2+が圏外のエリアでもデータ通信を行えます。

開通工事が不要

光回線などの固定回線を利用する場合は開通工事を行う必要があるため、申込み後に通信回線が開通するまで2週間から1ヶ月程度の期間がかかります。

しかし、WiMAX2+の場合は開通工事が不要なため、契約後は早い場合に即日開通ですぐにデータ通信を利用可能です。そのため引っ越しの際もこれまで使用していた通信回線の撤去や引越し先での開通工事などは不要で、簡単な住所変更を行うだけで引き続き通信サービスを利用できます。

WiMAX2+のデメリット

au 4G LTEを利用すると月間のデータ容量が制限される。

ギガ放題という料金プランを利用することで1ヶ月に使用可能なデータ容量が無制限のデータ通信を行えます。しかし、ハイスピードプラスエリアモードのau 4G LTEを使用すると、ギガ放題を利用している場合でも1ヶ月に使用可能なデータ容量に7GBまでという制限をかけられます。

一部の地下街などで繋がりにくい

2016年には名古屋市営地下鉄や横浜市営地下鉄などの地下鉄で利用可能になるなどWiMAX2+を利用可能な環境の整備が続いていますが、まだ一部の地下街や地下鉄などで電波が繋がりにくいというデメリットがあります。また、それ以外にもコンクリート製のビルなどで通信が繋がりにくい場合があります。

大手キャリアより対応エリアが狭い

2017年2月末に屋外基地局が30000局に到達するなど、WiMAX2+の対応エリアは急速な拡大を続けています。そのため現在では全国主要都市の99%以上、主要都市以外でも94%以上のエリアで使用可能です。しかし大手キャリアと較べるとまだ対応エリアが狭いというデメリットがあります。

WiMAX2+の関連用語

ノーリミットモード

ノーリミットモードを選択することで、WiMAXを利用したデータ通信が行えます。通信速度制限が存在しないというメリットがありますが、サービス開始当初は下り最大40Mbpsだった通信速度が現在では13Mbpsに低速化されているなど、WiMAX2+への完全移行に向けて徐々にサービスが縮小されています。

ハイスピードモード

WiMAX2+を利用した通信モードです。通常の料金プランでは月間7GBまでの容量制限がありますが、ギガ放題を利用することで容量制限が無くなります。しかし、ギガ放題を利用した場合でも3日で10GBまでという速度制限が存在します。WiMAX2+を利用可能な全ての機種が対応している通信モードです。

ハイスピードプラスエリアモード

ハイスピードプラスエリアモードはWiMAX2+の通信回線に加えてauの4G LTEの通信回線も利用可能な通信モードです。WiMAX2+が未対応のエリアでもauの対応エリア内であれば通信サービスを利用できるというメリットがあります。ただしハイスピードプラスエリアモードを利用すると、別途1000円程度の支払いが発生します。

また、ギガ放題を利用している場合でもハイスピードプラスエリアモードを使用すると月間7GBまでという容量制限が適用されます。

ギガ放題

月額3600円程度の通常プランには月間7GBまでという使用可能なデータ容量に上限があり、その容量を超えて使用した場合は通信速度が制限されて大幅に低速化します。しかし月額4300円程度のギガ放題という料金プランを利用することで、1ヶ月に使用可能なデータ容量に制限がない、無制限のデータ通信を利用できます。

しかし、ギガ放題を利用中であってもハイスピードプラスエリアモードでau 4G LTEによるデータ通信を利用すると、月間7GBまでというデータ容量制限が適用されます。

キャリアアグリゲーション

キャリアアグリゲーション(carrier aggregation)とは、複数の電波を束ねることによって通信回線を高速化する技術のことです。複数の電波を使用しているため、一部の電波が繋がりにくい場合でも他の電波に問題がなければデータ通信を利用できるというメリットがあります。そのため空港や駅などの通信利用者が多い場所でも利用可能な電波を優先して繋ぐことで安定したデータ通信が行えます。

4×4 MIMO

4×4 MIMO(フォーバイフォーマイモ/Multiple Input Multiple Output)とは、基地局とルーター側で4本ずつ用意したアンテナを利用して、複数のデータを同時に送受信する技術のことです。以前のWiMAX2+は、2本ずつのアンテナを利用した2×2MIMOで下り最大220Mbpsの通信サービスを提供していましたが、2016年12月からは4×4 MIMOによって下り最大440Mbpsまで高速化した通信サービスを提供しています。